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パスポートの引越し住所変更ガイド

引越し時のパスポート住所変更は、結論から言うと原則として不要です。パスポートには現住所が印字されないためで、引越し後も同じパスポートを継続して使えます。本ガイドでは「不要な理由」と「逆に切替申請が必要になるケース(本籍地変更・氏名変更・通称併記)」を、外務省の旅券法解説に基づいて整理しました。

パスポートの住所変更が「不要」な理由

日本のパスポートに記載される項目は限定されています。記載項目を整理すると、住所変更手続きが不要である理由が明確になります。

パスポートの記載項目(旅券法施行規則第3条)

  • 氏名(漢字・ヘボン式ローマ字)
  • 本籍地の都道府県名(市区町村は記載されない)
  • 生年月日
  • 性別
  • 有効期間(5年または10年)
  • 顔写真
  • パスポート番号

現住所は記載項目に含まれていません。所持人記入欄(パスポート最終ページ付近)に任意で記入する住所は、緊急連絡先として渡航先で利用する想定の欄で、公的な住所証明ではありません。引越しで現住所が変わっても、この欄を自分で書き換えれば実務上は十分です。

パスポートを身分証明書として使う場面での扱い

パスポートは公的身分証明書として国内でも使えますが、住所の記載がないため住所証明書類としては機能しません。住所証明が必要な場面(携帯電話契約・銀行口座開設・賃貸契約等)では、住民票の写し・運転免許証・マイナンバーカードなど住所が記載された書類が必要です。これらの住所変更は引越し後に別途必要になります。

パスポートの切替申請が必要になるケース

パスポートの住所変更は不要ですが、以下の記載事項に変更があった場合は、有効期間内でも新しいパスポートへの切替申請が必要になります。

本籍地の都道府県が変わった場合

本籍地はパスポートに「都道府県名」として記載されています。引越しによって本籍地の都道府県が変わった場合(例: 東京都→神奈川県)、記載事項の変更となるため新しいパスポートへの切替申請が必要です。同一都道府県内で市区町村だけが変わった場合(例: 東京都新宿区→東京都世田谷区)は切替不要です。

引越しと本籍地変更は別の手続きで、本籍地変更は住民票異動とは独立して行います。本籍地は転籍届を本籍地の市区町村役所に提出して変更します。引越しに伴って自動的に本籍地が変わるわけではありません。

氏名が変わった場合

婚姻・離婚・養子縁組・帰化・改名などで氏名が変わった場合、戸籍に記載された氏名とパスポートの氏名が一致しなくなるため、切替申請が必要です。海外渡航前にこの不一致があると、入国審査で身分証明と整合せず入国拒否されるリスクがあります。

通称併記の追加・変更

婚姻後も旧姓を仕事で使う場合などに、パスポートに旧姓や別名を「通称併記」する制度があります。通称併記の追加・変更・削除があった場合も切替申請が必要です。通称併記は別途証明書類が必要になるため、外務省または各都道府県パスポートセンターに事前確認してください。

本籍地変更を伴う引越し時の手続きフロー

本籍地の都道府県を変える場合、引越し(住民票異動)と本籍地変更(転籍)は別手続きです。両方が必要な場合のフローを整理します。

ステップ1: 引越し(住民票異動)

旧住所地で転出届、新住所地で転入届を提出します。これは住民票上の住所を異動する手続きで、本籍地は変わりません。詳細は転入届の出し方を参照してください。

ステップ2: 本籍地変更(転籍届)

本籍地を変えたい場合、転籍届を提出します。提出先は現本籍地の市区町村役所、新本籍地の市区町村役所、または住所地の市区町村役所のいずれかから選べます。必要書類は転籍届書と現在の戸籍謄本(または戸籍全部事項証明書)の2点で、手数料はかかりません(無料)。同一戸籍内の全員の本籍が変わるため、配偶者・子の同意が必要なケースもあります。

ステップ3: パスポート切替申請

新しい戸籍に記載された本籍地が反映された戸籍謄本を取得後、住所地の都道府県パスポートセンターまたは市区町村窓口で切替申請を行います。発給まで通常6営業日かかります。

パスポート切替申請の必要書類と費用

切替申請に必要なものを整理します。住所地の都道府県パスポートセンターまたは旅券窓口を設置する市区町村役所で申請できます。

必要書類

  • 一般旅券発給申請書(5年用または10年用、窓口またはオンライン申請)
  • 戸籍謄本(または戸籍全部事項証明書)1通(発行から6ヶ月以内、本籍地変更・氏名変更の場合は新戸籍)
  • パスポート用写真1枚(縦4.5cm×横3.5cm、6ヶ月以内撮影)
  • 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)
  • 有効中のパスポート(切替申請の場合)
  • 住民票の写し(住所地でない都道府県で申請する場合のみ)

手数料

区分 収入印紙 収入証紙 合計
10年用パスポート(20歳以上) 14,000円 2,000円 16,000円
5年用パスポート(12歳以上) 9,000円 2,000円 11,000円
5年用パスポート(12歳未満) 4,000円 2,000円 6,000円

所要日数

申請から発給まで通常6営業日(土日祝・年末年始を除く)です。引越しシーズン(3-4月)や夏休み(7-8月)は窓口混雑で1週間以上かかるケースもあるため、海外渡航予定がある場合は早めの申請が推奨されます。受領時は本人が窓口へ来庁する必要があり、代理人受領はできません。

切替申請とオンライン申請の使い分け

2026年現在、マイナポータルを経由した一般旅券のオンライン申請が一部都道府県で運用されています。マイナンバーカードと電子証明書のパスワードがあれば、申請の一部をスマートフォン経由で完結できる仕組みで、窓口での書類記入が省略されます。

オンライン申請で省略できる工程と残る工程

  • 省略可能: 申請書記入・写真の窓口提出(オンライン送信で完了)
  • 残る工程: 受領は本人来庁が原則(電子化されない)
  • 残る工程: 戸籍謄本などの書類は別途窓口提出または郵送が必要なケースが多い
  • 対象: 切替申請(残存有効期間1年未満などの条件あり)、新規申請の一部

都道府県ごとに対応範囲が異なるため、申請前に住所地の都道府県パスポートセンターの公式案内を確認してください。同一戸籍内に複数の申請者がいる場合(家族での申請)は、窓口対応の方が手続きが速いこともあります。

海外渡航前のチェックリスト

引越し後に海外渡航する予定がある場合、パスポートの記載事項とその他必要書類を出発前に確認してください。

  • パスポートの氏名・本籍地(都道府県)・生年月日が現状と一致しているか
  • 残存有効期間が渡航先の要件を満たしているか(多くの国で6ヶ月以上必要)
  • 所持人記入欄の住所を新住所に書き換えたか(任意・実務上推奨)
  • マイナンバーカードまたは運転免許証など別の本人確認書類の住所変更を済ませたか
  • 海外旅行保険・クレジットカード・銀行口座の住所変更を済ませたか

関連ガイドと地域別の窓口情報

本ガイドはパスポート固有の手続きに焦点を絞った全国共通版です。都道府県別のパスポートセンター・市区町村窓口の所在地は外務省サイトまたは各都道府県の旅券課ページを参照してください。引越し時の他の手続きは転入届の出し方運転免許の住所変更引越しチェックリストもあわせて参照してください。

出典・参考資料

最終確認: 引越し手続きナビ編集部 / 2026-05-27