高齢者の施設入居・実家じまいの引越しガイド
高齢者の介護施設入居・実家じまい・住替えは、家族の体力的・精神的負担が大きい引越しです。本ガイドでは、施設入居までの段取り、実家の家財整理・遺品整理業者の選び方、住所変更(介護保険・後期高齢者医療・年金)、実家の売却・解体まで、家族のチェックリストとして整理します。
高齢者の引越しパターン別の段取り
パターン1: 介護施設への入居
- 施設選定(特養・有料老人ホーム・サ高住・グループホーム等)
- 入居決定・契約(一時金・月額利用料の確認)
- 持ち込み可能品リストの確認(衣類・身の回り品・小型家電中心)
- 不要家具家電の処分(粗大ゴミ予約・家電リサイクル)
- 引越し業者手配(小規模引越し or 単身パック)
- 住所変更手続き(介護保険・年金・住民票)
- 実家の今後(売却 or 賃貸 or 解体)の検討
パターン2: 子供宅への同居・近居
- 子供と相談し同居 or 近居(1〜1.2km以内)の判断
- 住宅のバリアフリー化(手すり・段差解消)の検討
- 三世代同居・近居支援補助金の確認(自治体により)
- 家財整理(持ち込めるもの・処分するもの)
- 引越し業者手配
- 住所変更・各種手続き
パターン3: 高齢者施設から別施設への転居
- 転居理由の整理(医療必要度上昇・費用負担・家族近居等)
- 新施設の選定・入居審査
- 旧施設での退居手続き(清算・私物引取り)
- 転居(多くは小規模、施設の送迎で対応可能)
- 住所変更
実家じまいの段取り(家族で進める)
- 本人の意向確認
捨てたくないもの・貴重品の場所・処分してほしいものを聞き取り。本人不在で勝手に進めると後悔。 - 貴重品の確保
権利書・通帳・印鑑・宝石類・現金・年金手帳・マイナンバーカード等を最初に保管。 - 家財の仕分け
「残す(持ち込み)」「売る(買取)」「捨てる(粗大ゴミ)」「寄付」の4分類。家族で1部屋ずつ進める。 - 処分業者の見積もり
遺品整理業者・リサイクル業者・粗大ゴミ自治体予約。1軒分で10〜50万円。 - 写真・思い出の品のデジタル化
アルバム・手紙・ビデオテープをスキャン・データ化。専門業者あり。 - 引越し業者手配
残す家財を新住居に運搬。少量なら単身パック・赤帽。 - 実家のクリーニング
売却・賃貸の場合はハウスクリーニング(5〜15万円)。空き家保管のみなら最低限の清掃。 - 実家の売却・賃貸・解体の判断
不動産業者査定・解体業者見積もりを取る。空き家バンク登録も検討。
高齢者向けの住所変更手続き
| 手続き | 期限 | 窓口・方法 |
|---|---|---|
| 転入届・転出届 | 14日以内 | 市区町村役所。本人来庁が原則だが代理人申請可 |
| 介護保険被保険者証 | 転入時 | 市区町村介護保険担当。要介護認定情報は引き継がれる |
| 後期高齢者医療被保険者証(75歳以上) | 転入時 | 市区町村役所。同一広域連合内なら継続、別なら新規発行 |
| 国民健康保険(74歳以下) | 転入後14日以内 | 市区町村役所 |
| 年金(厚生年金・国民年金) | 速やかに | 日本年金機構(年金事務所)またはねんきんネット |
| 運転免許証 | 速やかに | 警察署・運転免許センター。返納の検討も |
| マイナンバーカード | 転入届と同時 | 市区町村役所 |
| 銀行・証券口座 | 速やかに | 各金融機関の窓口・オンライン |
家財処分の費用目安
| 処分方法 | 費用目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 粗大ゴミ(自治体) | 1品 1,000〜3,000円 | 事前予約・搬出は自分。最も安価 |
| 家電リサイクル(4品目) | 1台 1,500〜5,000円 + 運搬 | 冷蔵庫・洗濯機・テレビ・エアコン |
| 不用品回収業者 | 軽トラ1台 1.5〜3万円 | 分別不要・即日対応・搬出代行 |
| 遺品整理業者 | 1部屋 3〜10万円 / 1軒 10〜50万円 | 仕分け・搬出・処分・清掃まで一括 |
| リサイクルショップ買取 | 収入になる | 新しい家具家電・ブランド品向け |
| フリマアプリ | 収入になる | 梱包・発送の手間あり、時間かかる |
家族のチェックリスト
- 本人の意向を必ず確認(独断で進めない)
- 貴重品(権利書・通帳・印鑑・宝石・年金手帳)を最初に確保
- 医療機関・かかりつけ医の継続性を確認
- 引越し日は気候の良い時期(春・秋)を選ぶ
- 環境変化によるストレス・認知症進行への配慮
- 近所・友人とのお別れの時間を作る
- 引越し当日は家族が必ず付き添う
- 新居での生活リズム再構築をサポート
- 遺品整理業者は複数社から見積もり(質に大きな差あり)
- 本人が認知症で同意困難なら成年後見制度を検討
関連ガイド
- 高齢者の引越し — 一般的な高齢者引越しガイド
- ファミリー引越しの段取り
- 退去手続きガイド — 賃貸からの退去
- 引越し費用の相場と節約のコツ
- 転入届の出し方
- 引越し費用シミュレーター
新居の電気・ガス・水道 開通受付
高齢者の住替え後の新居で必要な電気・ガス・水道・インターネットの開通手配についてご相談いただけます。担当者より折り返しお電話します。
本フォームの対象範囲は、新居の電気・ガス・水道・インターネット等のライフライン開通取次のみです。旧居の停止・解約手続きは現在ご契約中の各事業者へ直接ご連絡ください。補助金の申請代行・申請相談は承っておりません。
- 1 ご相談内容
- 2 引越し情報
- 3 ご連絡先
本ガイドの根拠と最終確認
本ガイドは以下の一次情報を基に編集しています。各URLは記載の日付時点で生存確認済です。介護保険施設・有料老人ホームの入居要件・手続きは保険者(市区町村)や施設形態により異なるため、地域包括支援センター・施設窓口で個別にご確認ください。
- 厚生労働省「介護保険制度の概要」(2026-05-03確認)— 介護保険サービス・施設入所要件
- 各市区町村の地域包括支援センター — 高齢者の住替え相談・介護認定申請窓口
- 各施設の重要事項説明書(特養・老健・有料老人ホーム・サ高住の費用と契約条件)